マウンテンバイクのページでカンチレバー?って感じかもしれないが、嫁のMTBレストア計画で、各部の清掃点検 規格の確認作業を行った際に掃除してみて、私なりにある程度の気づきを得たので書いておきたい。
これがカンチレバーブレーキ。ロードもディスクへと移行し始めている2018年の夏、2019年モデルの発表を見てもディスクの完成車が増えてきている。この中 カンチレバーブレーキは軽量化と緊急の整備を求められる(タイヤが外しやすい)シクロクロス車や一部の廉価モデルのパーツと成り下がり、時代の波に取り残されようとしている。Vブレーキもしかりで、マウンテンバイクの世界でもキッズモデルにあるのと、昔マウンテンバイクから派生したクロスバイクに残るのみである。これらは同じVブレーキ台座を使用しており、フォークやフレームに台座がなければ導入できないので、今後台座の消失と共に消えゆく運命な訳である。
ではそんな自転車業界のノスタルジーに浸りつつ、旧車についているカンチレバーブレーキを清掃分解してみよう。
ビス周りに黒ずみが目立つが、一応これでもパーツクリーナーなんかで清掃している。しかし、ブレーキという部分はブレーキシュー周りに脂が付くと止まらなくなるので結構繊細なところ、あまり雑にスプレーでブシューっといくわけにもいかず、後回しにしていた。
先に言っておくが、二つとも外しても片方づつ作業すること。同時にバラしてしまうと組み立て方がわからなくなった場合最悪戻せなくなるからだ。
とりあえず軸になっているネジをアーレンキーで緩めていく。そして外れた状況。この状態でVブレーキのユニットも装着可能だ。
モンキーレンチで棒状の突き出したブレーキ固定軸も取り除いてみた。ネジが真ん中には切られており、ネジ穴のタイヤ側に三つの穴が空いている。とりあえずどんどん拭いていく。(この軸になっているネジは清掃目的では外す必要はない)
こちらが外した側のブレーキユニット。突き出た棒状の部分は中のバネの末端。先ほどの台座の三つの穴どれかにはめて固定する。かなり汚い…とりあえず分解していく。
バネが見えてきた。グリスが劣化して白く固着している。その周りもコテコテに真っ黒になった汚れがこびりついている。
ブレーキ部分もこの有様…内側であまり見えていないところにも容赦なく汚れが固着。
全部分解清掃。百均で買った揚げ物を置くバットのようなものの上に並べておいた。
右が掃除前のもの、左が掃除後仮組みしたもの。中にはしっかりグリスで満たしておく。
もう一度書くが、ここで重要なのは戻せなる可能性も考えて、片側づつ作業すること。バラしてない方を参考にして組み立てていくことである。
片側(進行方向右側)が終わったのでもう一方に移る。同じように分解していくと、バネの下にネジが。外からでも確認できたネジではあるがコテコテすぎて気づかなかった(笑)
このネジは左右のバネの強度を均等にするためのネジ。閉めれバネがキツくなり緩めれば逆である。これを調整すれば、ブレーキシューの方当たりを調整できるようになっている。
というわけで、ちょこちょこ調整しながら元に戻していって完了。基本シマノのコンポはアーレンキーのみで作業できるので楽 あとはバネ調整にプラスドライバーがあれば問題ない程度。でした。
試運転してみるとかなりブレーキの効きが良くなったのと、何よりもブレーキが軽くなりました。手元への負担が激減(20年放置なので当然かもですけど…)
かなりの満足感を得れました。
気づき
- ブレーキに関わらず、バネが仕込まれている部分にはグリスが固着していることが多い。
- 油分を避けなければならないブレーキシューなどの部分は個別に洗う必要があるが、分解すること。
- 不用意にパーツクリーナーで清掃しない(グリスが溶けてしまうため)
- ブレーキの引きなどの固着は徐々に起こるので、しっかりメンテナンスプログラムに入れておくこと
である。ありきたりな気づきで申し訳ないが、一つ一つのネジ バネの構造理解が深まるのは自転車への理解が深まっていいものですね。
それと先人の知恵 努力が垣間見える作業。結局もう直ぐこのMTBもディスクブレーキ化していくのでお礼の意味も込めたグリスアップでしたが、励まされた気分で組み上げました。