前回なにかとパーツが揃わずのびのびになってた挙句、フロントフォークをミラーポリッシュして見たわけですが(前回記事はこちら)、パーツが揃ったので再開です。今回はフロントフォーク交換です。いよいよCannondale V500カスタムも中盤から終盤へ向かってます。
私のバイクのヘッドチューブはオーバーサイズ (1 1/8インチ 28.6mm)ですのでこれにあったものを用意しました。
フロントフォーク交換にはフロントフォークの長さが変わったりしてどうしてもハンドル位置の再考が必要になり、今回私は味付け変更でハンドル位置を変えるため新しいステム ハンドルを購入してますがそれはまた別記事で。今回はフォークの交換作業中心でいきます。
作業工程が多いので先に大まかな流れを書いておきます
- 旧フォークを外す
- 旧フォークから下玉押しを外す
- 新フォークに下玉押しを移設 圧入する
- 仮組みからコラム長を決定する
- コラムカット
- スターファングナットを圧入
- 本組み
となります。追って進めていきますので今はステップ買う人程度に
1 旧フォークを外す
(フォークをポリッシュする前に進めていたので写真がごちゃごちゃしますが気にしないでください)
ステムなどを抑えてるトップキャップを外して ステムを外します。トップキャップが緩まない取れないという方はステムのネジを先に緩めると取れると思います。
この馬のようなステムに苦労されました。外し方が本当にわからなかった…。
ステムを外した後、ヘッドパーツのパッキンのようなリングを外します(上の写真)。このリングを外すと自転車持ち上げた時にフォークがスコスコ落ちてくると思います。ここぐらいまではタイヤは付けっ放しで地面に置いた状態でやりましょう。前輪が宙に浮かした状態だと、いきなりフォークがスコンと落ちてきますと、怪我もさることながらベアリングのパーツなどの紛失は致命傷ですので。
一個一個パーツを外して、洗浄 大事に横に置いておいてください。ヘッドチューブの上下にベアリングとそれを固定するリングなどがあります。
2 旧フォークから下玉押しを外す
フォークを取り外しました。実は旧フォークに付きっぱなしになってる重要パーツがあります。それが下玉押しと呼ばれるフォーク側に付いているヘッドパーツの部品。写真でいうと銀色のフォークコラムとの接合部分の段差のような部分です。この部分がヘッドパーツのベアリングを受け止め、動作をスムーズにしているわけです。
実はフォークコラム径の規格もありますが、この下玉押しの斜目になってる部分の角度なんかもそれぞれ決まってますので、ヘッドパーツとの相性上 ヘッドパーツごと交換を考えてない場合は生け捕りが基本と思います。新しい下玉押しだけ購入するのであれば、自転車屋さんに外したフォーク持って行って相談されたらいいと思います。圧入作業大変なんで、入れてみたけど合わないとか最悪なんで。
では生け捕り開始ですが、もちろんヘッドパーツも新調するぜ!って方には不要な作業です。ちょっとした隙間に不要なマイナスドライバーをあてがい、カンカン周りから叩いていきます。するとちょっとずつ浮いてきて、ある程度するとコロンと取れてきます。(こういう雑な作業用の安いドライバーと 整備用のドライバーは分けておいてください)
ちなみにこれは下玉押しを外す専用工具。おそらく簡単に外せるし、フォークに傷も残りにくいとは思いますが、かなりのお値段がします。カーボンとかの高級フォークをお使いならいいかもしれませんね。
下玉押しはかなり硬いパーツなので少々乱暴にコンコン叩いても大丈夫ですね。しかし、それなりの傷が旧フォークに残ってしまいますので、フォークも他で再利用するぜ!って方には専用工具もあります。(私は旧フォークは必要なかったので乱暴に取っ払いました。)
これがヘッドパーツから外した下玉押し(一番下の黒い輪っか) ゴミよけのシム(真ん中の少し大きめの輪っか) と ベアリング(一番上の銀色)です。
各パーツ洗浄して組み上げ用に待機させておきましょう。
3 新フォークに下玉押しを移設 圧入
次に新しいフォークに下玉押しを移設していきます。下玉押しを上下に気をつけつつ装着、あとは叩き込んでいきます。いわゆる圧入作業です。
ここでおなじみ専用工具の登場ですが、私は直径3センチの塩ビ管を買ってきて上から被せて叩き込みます。直径3センチの塩ビ管って内径が3センチなんですね。購入時に初めて知りました。ちなみに長さ40センチぐらいのものが250円程度でした。
叩き込んでいきましたが途中で止まってしまってどうにもならず、一旦外して観察。するとフォークコラムに塗装のクリアが乗っていて、それが削れてました。これ以上はどうしようもないので、塗装を紙ヤスリで除去。灰色になってる部分が塗装部分です。
先ほどの要領で、ビッチビチまで下玉押しを塩ビ管ガンガン叩きながら圧入。上の写真が完了画像です。
ちなみに上の下玉押しは一部が欠けているため、圧入が簡単みたいです。相性の問題と、隙間から水とかゴミが入りそうで今回は却下しましたが色々なパーツがありますね。
4 仮組みからコラム長を決定する
ここからいきなりフォークが銀色になってますが、同じフォークです。下玉押しだけが黒いですね。ではではグリスもしっかり入れてきっちり止めていきましょう。ここで左右にフォークを回してみてゴリゴリするようならどこかのパーツの順番があってないってことなので、慎重に。
とりあえず旧ハンドルとステムですけどなんとか組み上がりました。ここでお気づきかとは思いますが、ステムの上に余分な部分が出てます。
次にこの部分をカットする作業に…といきたいところですが、新ステムと新ハンドルを待つことに。(ハンドルステムのことについては別記事で)
待つこと数週間。届きました。
つけて見るとこんな感じ。盛大に余ってます。ちなみにステム下に25mmと上に5mmのスペーサーを置いた画像です。ステムをしっかり閉めると一応フォークはすっぽ抜けないので、この状態で少し跨ってみてハンドル高さなどのポジションを探っていきます。もちろん完全固定できてないので無理は禁物です。
ここでポジション決まったら余ったコラムをカットしていきましょう!
5 コラムカット
前項でカットする量がだいたい決まりました。ここでチェックしたくてはいけないのが、トップキャップの厚み。
このトップキャップは旧トップキャップですが流用します。上黒い部分2段になってます。そして細い部分の高さはなんと10mm…今となってはこんな分厚いトップキャップ無いです。多分…(今のものは2mm厚ぐらいです)
それはさておき、いつも私たちが目にするトップキャップは上の薄い部分のみ。細い部分はステムの中に入って隠れています。なので、ステムの高さでコラムカットすると…
こうなります。ステムを抑えることができません…なので、今回の場合10mm以上コラムを短くカットしなければトップキャップは収まらないんですね。
なので
必要な高さ マイナス10mmの部分にヤスリでマーキング。今上下に30mmのスペーサーが入った状態でマーキング。ということはこの線でコラムをカットした場合 最終のスペーサー量は40mmということになりますね。(今後今時の薄いスペーサー買って付け替えるつもりなので35mmで抑える予定です。)
一旦 ステムもスペーサーも外して、先ほどの線に従い、パイプカッターを装備。
使い方は黒い取っ手の部分で締め込みながらパイプの周りをグルグルと。また締め込んでグルグル。これの繰り返しでできます。(詳しくはハンドルカットの記事で紹介してますご参考まで)
切れました。そしてバリをヤスリで削って綺麗にします。
上の写真をよく見るとステムの中に一段下がったコラムの切断面が見えます。上にトップキャップをかぶせたのが次の写真。綺麗にハマります。
6 スターファングナットを圧入
次は最後の作業、スターファングナットの圧入です。スターファングナットもちゃんとサイズを見て買いましょう。1-1/8インチです。
これが圧入されたスターファングナット。この中央のネジ穴にトップキャップのネジがハマり、トップキャップがステムを上から抑えるって構造です。(スターファングナットはカーボンコラムには使用できませんのでご注意を。カーボンコラムが割れるそうです。)
それでは圧入手順。今回私はこれを使用しました。
Giza Products (ギザプロダクツ)のアンカーナットセッターとダイヤコンペのスターファングナットです。スターファングナットが適正な位置にセットできる代物とスターファングナットですね。圧入には色々専用工具が必要です。お値段は1382円と385円。そこそこする割には専用工具になりますので、次いつ使うかわからない代物、下手したら使わないかも…
他の方法としては、いわゆるプレッシャープラグと呼ばれるもの。上のBBBのものは上のネジを締めると下の銀色の部分が膨らんでフォークコラムに固定されると言う代物。フォークコラムまでカーボンのものにはこれ一択になります。ちなみにネジを緩めると取れるので使い回しができます。
私の場合はアルミ製コラムになるのでスターファングナットを選択しました。基本的に重量面でも確実性でもスターファングナットが上のようですね。(お値段的にも圧入工具とスターファングナットを買ってょうがお安い。これがでかかった)
これがセッターです。
サイズはもちろんオーバーサイズの規格があったものでしか使用できません。大きい方の筒の内側に段差があります。
コラムの上に装着するとこんな感じ。段差できっちり止まります。
上の写真にもあるサイズのあったスターファングナットをもう一方の先に装着。
そのままコラムにセットしてある大きい方の筒にスルリと装着。こんな感じで出っ張りがあります。
あとは叩き込んで、出っ張った部分が上の写真のように完全に沈み込むまで金槌で叩く。ゴムハンマーの方がいいですね。手元になくてサボりました。
叩き込むと、スターファングナットがこのように適正位置にセットされるというわけ簡単確実。これを使えば適正深度にまっすぐセットできます。深すぎる 軸がずれたなどが起こるとヘッドキャップが固定できなくなり、フォークがパーになりますのでご注意を。
あとはステムハンドルをセットし、ヘッドキャップを閉めるだけ。完成です。
7 本組(ほんぐみ)
ここまでくれば最終確認しておしまいです。ハンドルを持って前後左右に振ってみてガタがないか?ハンドルがタイヤに対してまっすぐ付いているか?などを確認。最後に10センチほど前輪を上げて落としてみて、変な音が鳴らないか見たら完了です。
結構パーツが届かなかったりとかで寸断されながらの作業でしたが、なかなか満足感の高い作業でした。
ハンドル選択などのことについてはまた書きたいと思います。
ではでは今日はこの辺で!皆様にもよきサイクリングライフをー!